触る・聞く・見るなどの感覚を刺激される遊びを感覚遊びといいます。
この感覚遊びは、運動の発達や言葉の発達、手先の器用さなどにつながるとても大切な遊びです。
今回はこの感覚遊びが『なぜ重要なのか?』と『おすすめの感覚遊び』をご紹介します。
感覚遊びとは?
まず、人間の感覚にはこのようなものがあります。
- 触覚 触ったり触られたりする時の感覚
- 視覚 形や動き・明暗・距離・色などを見る感覚
- 聴覚 音を感じる感覚
- 味覚 味を感じる感覚
- 嗅覚 においを感じる感覚
- 前庭覚 体の傾きや揺れなどを知る感覚
- 固有覚 筋肉や関節の感覚で、どんな姿勢になっているか・筋肉にどの程度力が入っているか分かる感覚
前庭覚と固有覚はあまり聞き慣れず分かりにくいですが、主に運動をして遊ぶときに刺激される感覚です。
これらの感覚が刺激される遊びを感覚遊びといいます。
なぜ感覚遊びが発達を促すの?
小さなお子さんは感覚がまだ未熟で、感覚が過敏だったり鈍感だったりします。
形の違いが見て分からなかったり(視覚)、どこから音が聞こえているのか正確に分からなかったりします(聴覚)。
揺れるのが怖くてブランコに乗れなかったりするのは、揺れる感覚(前庭感覚)を過敏に受け取っているからです。
しかし、感覚遊びをして様々な感覚を経験することで感覚が育ち、過敏もしくは鈍感に受け取っていた感覚を正常に受け取りやすくなります。
そして、感覚が育つと運動・言葉の発達などにつながります。
固有覚は筋肉の動かし方や姿勢に関する感覚なので、この感覚が育てば体を上手に動かすことができます。
前庭覚は揺れを感じ取る感覚です。過敏だとブランコや揺れる遊具が怖いですが、過敏さがなくなると様々な遊具にチャレンジすることができ、その分筋力がついたり、体の動かし方を学ぶことができます。
言葉の発達に関しては、聴覚が大きく関わっています。
音や言葉を正確に聞き取れるために聴覚が育つことが重要です。
また、触覚や前庭覚も言葉の発達に関わっていて、触る感覚や揺れる感覚で脳が刺激されることで言葉の発達につながることが分かっています。
感覚は手先の器用さにも関係している!
感覚は手先の器用さとも関係しています。
具体的な例を挙げると、例えばボタンを留める時、どんな感覚刺激を処理しているのでしょう?
- ボタンとボタンホールを見て位置を確認する(視覚)
- ボタンホールから出てきたボタンを受け取って引っ張り出す(触覚)
- 適切な力加減でボタンホールを開く(固有覚)
このようにいくつかの感覚を同時に処理しながら人間は作業を行います。
触覚をうまく感じ取れない場合、ボタンを触っている感じが分からないので、目で見て確認できない一番上のボタン留めが難しくなります。
固有覚がうまく感じ取れない場合、力加減が分からないので、ボタンホールを開く際に服を強く引っ張りすぎてしまいます。
感覚刺激をうまく感じ取れていないと、なにか作業をするときに不器用さが出てしまいます。
反対に、感覚刺激をうまく感じ取れると手先を器用に動かすことができるのです。
おすすめの感覚遊び!
ここからは簡単にできるおすすめの感覚遊びをご紹介します!
触覚を刺激する遊び
触覚刺激は脳が刺激されるので、色々なものを触って遊んでみましょう。
- 砂遊び
- 泥遊び
- 水遊び
- 粘土
できるだけ手で触って遊べるといいですが、触るのが苦手なお子さんは道具を使って遊ぶことから始めましょう。
砂遊びや泥遊びであればスコップ、粘土であればヘラやめん棒などを使います。
生活の中でも、触りたがった物はできるだけ触らせてあげると、それだけでも感覚遊びになります。
ビーズ、アルミホイル、マヨネーズ、ティッシュ、葉っぱ、等々…
危なくない物は触らせて、「口に入れると危ないかも!?」など注意が必要なものは、傍で見ている間は触らせるなどしてみてください。
前庭覚・固有覚を刺激する遊び
前庭感覚・固有感覚を刺激する遊びは、主に運動遊びになります。
- ブランコ
- 滑り台
- トランポリン
- 高いところからジャンプ
- トンネルくぐり
運動遊びは、揺れるのが怖かったり、高いところが怖かったりと、なかなかダイナミックに遊ぶことができないお子さんもいらっしゃいます。
その時は、ブランコは一緒に乗る、滑り台は一緒に滑るなど、始めは大人と一緒にできるようにしましょう。
また、ブランコや滑り台は低いものから始めるなど、チャレンジしやすそうなものから始めてみましょう。
まとめ
今回は、こどもの発達に感覚遊びが大きく影響していることを解説しました。
特に、色々なものを触る触覚あそびと、運動することで刺激が入る前庭覚・固有覚あそびは、おすすめの遊びなので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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